変形性膝関節症(膝痛)

膝関節の軟骨の変性、磨耗によって関節の破壊が起こり、これに対応して骨硬化や骨棘形成などの
骨増殖が起こり、膝関節の変形と疼痛、運動制限を起こす進行性疾患である。
老化や肥満以外に原疾患が明らかでない一次性変形性膝関節症と、外傷歴や何らかの先天性
あるいは後天性の膝関節疾患に続発する二次性変形性膝関節症がある。
一次性のものは加齢による関節軟骨の退行変性と荷重と関節運動の機械的刺激が作用し
磨耗による関節の変形と増殖性変化を起こすが、肥満、動脈硬化、関節軟骨破壊酵素の 性化、
性ホルモンの影響もある。二次性のものは半月板損傷、靭帯損傷、骨折、化膿性関節炎、
関節リウマチなどに続発する。
疼痛は椅子から立ち上がるなどの関節運動時に多い。温泉などの温熱効果で改善する傾向がある。
関節裂隙、ことに内側に圧痛を認めることが多い。病勢が進行すると関節腫脹がみられ、
膝蓋骨の輪郭が不明になる。また、関節液が貯留し膝蓋骨の浮動感を認める。
運動性制限の多くは疼痛のためであるが、やや進行すると屈曲拘縮をきたす。
関節の変形は内反変形でO脚を呈すること多いが、外反変形でX脚をも散見する。
また、本症に限らず膝関節疾患全般に当てはまるが大腿四頭筋の萎縮、筋力低下は必発である。
その為、階段の下りに難渋する。
X線撮影で関節裂隙の狭小化、軟骨下骨の硬化像と骨萎縮像の混在、骨嚢腫の出現、骨棘の形成、
関節内遊離体(関節ねずみ)、半月版の石灰化などが出現する。

関節液検査:
淡黄色透明で、粘調性がある。ヒアルロン酸の濃度と分子量が低下している。

保存的治療:
生活指導:股関節への負担を減らすために体重減量、杖の使用、長時間立位・歩行の制限、正座を避ける事を指導する。

理学療法:
仰臥位での下肢挙上訓練など、四頭筋強化トレーニングを指導する。また、水中歩行は膝にかかる体重の負荷が少なくてすむので合理的である。

装具:
内反膝には外側を高くした、また、外反膝には内側を高くした楔状足底板を使用させる。

薬物:
基本的には外用薬を補助的に用い、原則として鎮痛剤の連用は控える。薬剤療法のひとつとして除痛と関節水腫の改善を目標にする。

関節内注入療法:
ヒアルロン酸ナトリウム、キシロカイン、ステロイド薬を用いるが、ステロイド薬についてはその頻用は不適当である。

観血的治療:
観血的治療法には、関節鏡視下デブリドマン、脛骨高位骨切り術、人工膝関節置換術がある。末期変形性膝関節症には、人工膝関節置換術が行われる。

SAKIUTAでは関節周辺の筋肉、神経への圧迫を取り除く事によって膝関節の痛みを軽減致します。