変形性股関節症(股関節痛)

股関節の軟骨の変性、磨耗によって関節の破壊が起こり、これに対応して骨硬化や骨棘形成などの骨増殖が起こり股関節の変形と疼痛、運動制限を起こす進行性疾患である。
原疾患が明らかでない一次性変形性股関節症と、先天性股関節脱臼、同亜脱臼、臼蓋形成不全などの疾患に続発する二次性変形性股関節症がある。
わが国では一次性は約15%程度、二次性が約80%である。二次性の基礎疾患は女性に圧倒的に多いため、変形性股関節症もまた女性に多い。
軽症の先天性股関節亜脱臼や臼蓋形成不全はしばしば治療されずに放置される事があるが、
20歳前後で何らかの症状を呈してくる。
主たる成因は加齢現象による軟骨の変性と、股関節にかかる体重の3倍にもなるという荷重である。二次性変形性股関節症の先行する股関節疾患には上記のほか、化膿性股関節炎、ペルテス病、
大腿骨頭壊死症、関節リウマチなどがある。
症状は歩行や立ち座り、寝返りなどの股関節運動時の股関節部痛と、破行(一側をひきずる形の異常歩行)および可動域制限をきたす。歩容(歩く様)はトレンデレンブルグ徴候陽性である。
トレンデレンブルグ(Trendelenbrug)徴候とは股関節外転筋力低下のため、患側立脚時に骨盤は
健側へ、肩は患側へ下がる。身体揺れて歩いているようにみえる徴候である。
診断は画像上で関節裂隙の狭小化、軟骨下骨の硬化像、骨嚢腫の出現、骨頭の変形、骨棘の形成、臼蓋形成不全、シェントン線の乱れなどを診て行う。
シェントン線とは正常な股関節では恥骨内下縁(閉鎖孔の上縁)のカーブを延長すると
大腿骨頚部内縁をスムーズになぞる。この線をシェントン線といい、股関節脱臼ではこの2つの線が
連続せず乱れる。
治療法は①保存的治療によるもの、生活指導では股関節の負担を減らすために体重減量、
杖の使用、長時間立位・歩行の制限などを指導します。
補装具などは補高装具を下肢短縮や内転拘縮例に用いることがある。
薬等は基本的には外用薬を補助的に用いて、原則として鎮痛薬の使用は控える。
他にも人工骨頭置換術を行うなどの観血的治療がある。
SAKIUTAでは関節の変形を取り除くことはできないが、局所への負担を軽減させ痛みを
緩和させる施術を行っている。