頚部脊柱管狭窄症

頚部の脊柱管が狭い状態に発育していった発育性のものと、頚椎の不安定性のために上位頚椎が
下位頚椎に対して後方にすべることによる動的な脊柱管の狭窄とがある。一応、変形性頚椎症や
後縦靭帯骨化症による脊柱管狭窄の場合とは別に扱う。
40代以降に多く、性別では男性に多い(2:1) 原則的には頚部脊髄症状を呈する。手足のしびれで
発症するものが約80%でほとんどが両側性である。手足がもつれ、細かい指先でする仕事に支障を
きたす。歩行障害、下肢・体幹のしびれ、尿の出始めの遅れるような排尿障害を伴ってくる。
頚椎単純X線撮影で管球―フィルム間距離1.8mで撮影し、脊柱管前後径が12mm以下であれば、
発育的脊柱管狭窄とする。同じ条件で頚椎屈曲位と伸展位の側面像を撮影して、
2mmの後方すべりがあり12mm以下であれば動的脊柱管狭窄とする。
MRIの矢状断では、クモ膜下腔の消失と脊髄圧迫がみられる。
CTでは頚椎の水平断で脊柱管が扁平な二等辺三角形である。
保存療法は一般に対症療法的、姑息的治療で一時しのぎである。後方除圧術をはかって、
現在では椎弓形成による脊柱管拡大術が広く行われる。
重症例や1年以上の罹病期間の例は改善が不良で、手術しても多くが50%以下の改善にとどまる。
動的脊柱管狭窄は一般に改善が不良である。

SAKIUTAでは関節周辺の筋肉、神経への圧迫を取り除く事によって痛みを軽減致します。