甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンの分泌低下、もしくは甲状腺ホルモンに対する感受性の低下により、
抹消組織で甲状腺ホルモン作用が不足して種々の症状をきたす病態である。
甲状腺機能低下症のために硬い浮腫を認めるものを粘液水腫、先天性の甲状腺機能低下症で
身体ならびに精神の発達が遅滞した病態をクレチン病と呼ぶ。
人口の0,01%。全甲状腺疾患の約10%程度。
甲状腺機能低下症には甲状腺自体に異常がある原発性、下垂体もしくは視床下部に病変のある、
中枢性、そして抹消組織での甲状腺ホルモンレセプター異常によるホルモン不対応の3種類がある。
このうち、甲状腺に対する自己免疫が原因となって甲状腺組織が破壊される慢性甲状腺炎
(橋本病)の頻度が最も高い。
甲状腺ホルモンは全身の組織に作用するので、多彩な症状が出現する。またそのために、
他の疾患と間違えられやすく、活動力低下から、うつ病や痴呆と間違えられたりする。

全身症状:寒さに弱い、発汗減少、倦怠感、易疲労感、体重増加、低体温、月経異常
消化器症状:食欲減退、便秘
循環器症状:徐脈、息切れ
皮膚:硬い浮腫(粘液水腫)皮膚乾燥、脱毛
神経筋:こむらがえり、アキレス腱反射の弛緩相緩慢
精神症状:活動性低下、記憶障害、言語緩慢。

SAKIUTAの対応として、代謝、循環の改善をはかり、その後知識をもった者による食事療法、
運動療法の指示を行う。